君の信用を食べたい

20代男性が自分の好きを忘れないために

自分の目を養う

Candy Stripper デザイナー板橋よしえ連載「おしえて好きなひと」 第20回 オカモトレイジ(3ページ目)

これはOKAMOTO'Sのメンバー、オカモトレイジのインタビュー記事だ。 OKAMOTO'Sはフェスで観てから好きでよく聞いているのだが、その中でもレイジの人生観がとても好きだ。

過去のPOP LIFEの放送の中でも彼は、「好きっていう感情が一番良い」「作品に好き嫌いはあるけど、良い悪いは無い」と言っていたが、彼の価値観とそこから滲み出る発言は、好きが少ない自分にはぶっ刺さることが多い。

レイジは最近KPOPにハマっていたり、音楽のジャンルも幅広く聞いていたり、スポーツも好きになりたいと言っていたりと、好きになるのがとても上手い。

レイジは言う。「人生を退屈にさせているのは自分自身だ」と。

だから俺、自分の人生において、何に対しても美学を増やしていくのが一番大事だと思ってて。例えばまだわからない家具のことも、自分なりの美学があればわかるわけじゃないですか。知識があるとかじゃなく、自分なりの美学があるっていうのがでかいと思ってて。それをどんどん増やしていきたいと思ってる。今はスポーツに全く興味がないから、スポーツに美学を見出したい。スポーツ、好きになりたいなと思ってて。

レイジは自分の人生を楽しむには好きなことを増やして、最高の感情を増やしていくのが一番大切だと知っている。 そしてレイジは、何かを好きになるには、自分の目で直接体験して、直接触れて、自分なりの美学≒自分なりの価値観を育てていくのが大切だと知っている。

レイジを見ていると、自分が何が好きか分からないという人は圧倒的に直接ふれて体験することが少ない人なんじゃないかなと思う。 今の時代、インターネットで音楽も映画も舞台も聞けたり見れたりしてしまう。調べればたいていの情報は出てくる時代だ。しかも、それを無料かもしくは低額で楽しめてしまう。 人がおすすめした情報、アルゴリズムがおすすめした情報。

それで知った気になってしまう。それで小さい満足をしてしまう。

でも、本当に腹落ちする情報は、多分自分で足を運び、自分の目で見て、自分の肌でふれないと多分、得られない。 これだけインターネットが発展したからこそ、あえて足を運ぶコストをかけることの重要性は増している気がする。

僕は昔からインターネット大好きで、何でもググるし、何でも評価見るみたいなことをしてきた。だからなんじゃないかなと、レイジを見ていると思う。

このレイジの言葉、刺さる人多いんじゃないかな

――今のお話は、周囲に惑わされず自分自身の価値観を信じたほうがいい、というメッセージにも聞こえます。

レイジ そうかもしれないですね。実は俺、「田舎者」が苦手なんです。といっても、俺の中での「田舎者」は地方出身者に対する差別用語ではありません。自分の世界の“首都”に住めていない人、つまり自分の中の軸や価値観、アイデンティティーが見えない人のことを指しています。東京出身でも「田舎者」はいっぱいいます。

――自分自身と正面から向き合うことが出来ていない人というか。

レイジ そうとも言えますね。「自分探し」といって世界旅行をする人がいるじゃないですか? 正直に言うと俺はその安易さや軽薄さが苦手です。大した努力もせずに、自分が生活している場所で居場所を見つけられなかった人が、世界を旅したところで何を見つけられるんだっていう。旅する前にやれることはもっとあるんじゃないかな、と。

――話を聞いていると、根っこの部分は我の強かった高校生の頃とあまり変わっていませんね。

レイジ あははは(笑)。そうかもしれないです。やっぱり自信を持っている人はカッコイイと思うし、俺自身もそうありたいと思っています。だから、自分の中に揺らがない価値観を持ちつつ、他者には配慮する、ということを常に意識しているし、それが行動全般につながっていると思う。俺はそのスタンスをずっと「真面目」と呼んでいます。  

今思うと、自分の中で譲れない価値観って、たぶん何事に対しても真面目でいることなんですよ。この感覚はずっと大事にしていきたいですし、これからも変わることはないでしょうね。

これからは積極的に足を運んで直接体験していかないとと焦ってきたぞ。